生成AIの導入を進める企業が増加する中、AIを使いこなしながら業務にどのように活かしていくか課題や効果が見えてきた。株式会社ココペリのカスタマーサポートチームで生成AIを使いこなす宮原さんに、活用方法と課題をインタビューしました。
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サポート業務のAI活用はカバー範囲と回答精度が鍵!
AIツールの導入について
- どのような業務にAIを活用していますか?
- チャットツールにAIを組み込み、社内の問い合わせに対する一次受付をAIが自動で行っています。具体的には、営業担当からの質問や新入社員の学習用途で活用されており、AIが迅速に回答を提供しています。AIが出した回答の正確性については、カスタマーサポート担当者が確認を行い、誤った回答があった場合は、その場でAIに再学習させるか、学習用のFAQを更新する形で改善しています。
- AIツールを導入したきっかけは何ですか?
- 社内でChatGPTを契約していたことから、カスタマーサポート部門でも活用を開始しました。導入前の社内での問い合わせは「〇〇が利用できるか?」や「Yes or No」といったシンプルな質問が多かったため、AIによる対応への移行が行えると判断しました。
- AIの導入前と後で、業務の効率や質にどのような変化がありましたか?
- AI導入により、人による回答のばらつきを防ぎ、業務の標準化が進みました。また、質問者は早朝や深夜を問わず、いつでも気軽に質問できるようになり、回答者は調査や文章作成にかかる時間を大幅に削減できました。結果として、オペレーションコストも大幅に軽減されました。
AIの利便性と効果
- AIツールのどの機能が最も役立っていると感じますか?
- AIは関連情報を引き出すのが非常に得意だと感じています。通常のFAQは一問一答の形式ですが、AIは関連情報を含めた複数の回答を提供してくれるため、非常に助かっています。
- AIを使うことで、どのくらいの時間やリソースが節約できたと思いますか?
- 人が一つの質問に答えるのに、文章を打ち込む作業を含めて5〜10分かかっていたのが、AIではわずか数秒で完了します。質問者・回答者ともに、時間の節約効果は非常に大きいです。
- AIツールが日常業務に与える影響や効果を教えてください。
- AIに学ばせるFAQは、質問と回答をより洗練させる必要があるため、その過程でWEB掲載用や社内資料のFAQの精度も向上してきました。結果として、全体の資料がより質の高いものになっています。
AIに対する懸念や課題
- AIを使用する上で感じた課題や不安はありますか?
- AIが過剰に詳しく説明しすぎることが問題です。簡単なYes or Noで十分な場合でも、余計な補足が多くなることがあります。
- AIツールが不完全だと感じる点や、改善してほしい部分はありますか?
- ユーザーの理解度や感情を考慮した回答ができるようになれば、さらに優れたツールになると思います。
将来のAI活用
- 今後、さらにAIをどのように活用していきたいと思いますか?
- 回答の精度をさらに向上させ、顧客満足度を高めたいと考えています。また、単なる質問への回答だけでなく、AIが効果的な学習方法を提案できるような「先生」のような役割も目指したいです。
- AIの進化により、どのような変化が業界や働き方にもたらされると考えていますか?
- カスタマーサポートの業務は、将来的に約9割がAIに置き換わると考えています。そのため、カスタマーサポートの担当者は、AIに学ばせるための教材作成や、返答の言い回しを教える役割が求められるようになるでしょう。さらに、AIが賢くなることで、AIからの返答が常に正しいと信じられやすくなると思います。誤った情報に導かれるリスクもあるため、その点には常に注意を払う必要があると考えています。
今回はココペリでどのようにAIを活用しているか、インタビューしてきました。AIをただのChatBotのようなツールにするのではなく、相手の習熟度に応じた回答とスキルを高めてくれるツールにする気概を感じました。これからがますます本当に楽しみです。